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2009-05-30(Sat)

二年次05月中旬:「修学旅行の一幕」(後編)

true tears 二次創作小説です。本編全話視聴終了済みの方のみご覧ください。



二年次05月中旬:「修学旅行の一幕」(後編)
           この話は前編からのつづきになります。こちらからどうぞ。







(8)待ち人来たる

担当者の到着が余りに遅いため、待ちくたびれた眞一郎と比呂美はいつしか今日の企業研修について話をしていた。比呂美がビール工場の様子と感想を述べると眞一郎もまた印刷会社について語り始めた。酒蔵を手伝う可能性がないわけではないという理由からビール工場を選んだ比呂美だったが、眞一郎は絵本作家を目指すものとして印刷工場の見学を望んだのだった。それなりに真剣に研修に臨んだ比呂美だったが、やはり自分の夢に直結している眞一郎のほうが真剣さは上だったようだ。瞳を輝かせながら印刷工場について語る眞一郎を見ると比呂美まで嬉しくなってくる。そして一通り話し終え一段落した所で比呂美は一度お手洗いに向かうことにした。

お手洗いの場所を先ほどの中年の男性に尋ねてすぐさま向かう比呂美。個室に入り用を済ませながら先ほどの眞一郎の瞳の輝きを思い出す。
(やっぱり眞一郎君は…)
するとカツカツカツカツとヒールの素早く響く音が近づいてくる。そう思うと同時に隣の個室のドアが開かれ、そして勢い良く閉じた。
(随分慌ててるわね)
そう考えつつ比呂美は水を流し個室を後にする。そして比呂美がハンカチを咥えながら手を洗い鏡を見ていると個室から信じられない声が聞こえてきた。
「ふふふ、男子高校生…またとないチャンスだわ…しかも多分童貞…これは絶対逃せないわね」
愕然とした比呂美は思わず咥えていたハンカチを落としてしまう。
「ふふふふふ、トイレを済ませたらちゃんとお化粧も直さないとね」
手を洗うのも忘れ閉じている個室を見つめる比呂美。そして彼女は暫く何かを考え込むのだった。

鈍いと言われる事の多い眞一郎もお手洗いから戻ってきた比呂美の様子が少しおかしいことには気づいていた。だが理由を聞いてもいいものだろうか?もし便秘だとかだったなら聞かない方が礼儀な訳だし。そう考えると尋ねる事には躊躇を覚えてしまう。そんな時、突然女性の声が社内に響き渡る。
「ただいま戻りました!」
そして中年の男の声。
「うむ、で先生の原稿は?」
「ここに」
担当が戻って来たのだろうか?いや、まだそうと決まったわけじゃない。そんなことを考えつつ眞一郎が比呂美の顔を見ると何か気に障ることがあったのだろうか繭をひそめていた。何かあったのだろうかと疑問を覚える眞一郎。するとまた女性の声が聞こえてくる。
「で、彼は来てますか?」
「ああ、会議室のなかだよ」
中年の声に首をかしげる比呂美。会議室ってこの仕切りの中の事なのだろうか?でもここは部屋とは呼べそうにないなどと考えてしまう。その間にカツカツとヒールの響く音が聞こえ女性が仕切り板を越え眞一郎たちの前に顔を見せた。
「はじめまして、私が音島響子です」
慌てて立ち上がる眞一郎。担当編集…になるかも知れない女性は20代後半から30代頭くらいに比呂美には思えた。割と美人な部類にはいるだろう。眞一郎を見て嬉しそうな表情を浮かべている。少し急いで戻ってきたのだろうか?頬が赤く蒸気している。
「は、はじめまして。仲上眞一郎です。よろしくお願いします」
緊張する眞一郎をつまらなそうに見つめていた比呂美もまた立ち上がると音島に向かって頭を下げた。
「はじめまして、湯浅比呂美です」
首を傾げる音島。それもそのはず、彼女は眞一郎が一人で来るものと思っていたのだ。
「えーと、どちらさま?あ、ひょっとして共同作品だったわけ?」
「いえ、単なる付き添いです」
座りなおしながらそう答える比呂美。眞一郎もまたパイプ椅子に腰を下ろした。
音島は眞一郎たちの対面に座ろうとパイプ椅子を引きずりながら比呂美を見つめ尋ねた。
「あ、同じ創作仲間ってことかな?」
「いえ、恋人です」
「へ?」
一瞬あっけにとられた音島はパイプ椅子を引きすぎていた事に気がつかないまま座ろうとしてそのままスッテンと転んでしまう。
「あいたたた」
「大丈夫ですか」
心配そうに音島を覗き込む眞一郎。
「だ、大丈夫…」
音島はそういってパイプ椅子に掴まりながら立ち上がろうとする。
「さらに正確に言うなら、婚約者ですね」
比呂美が冷たい目で音島を見ながらつぶやくと同時に音島が支えにしていたパイプ椅子が崩れた。
「きゃあ!」
またもや転倒する音島。それだけガタがきていたと言う事だろうか?パイプ椅子の接合部がもげてしまったのだ。
「ちょ、大丈夫ですか?」
慌てて立ち上がる眞一郎。音島に向かって手を差し伸べる。だが音島は一度比呂美を見つめると首を横に振った。
「一人で立てるわ。大丈夫ですから」
立ち上がった音島は壊れたパイプ椅子を壁に立てかけると隣のパイプ椅子を中央に寄せて座る。それを見て安心した眞一郎もまた自分の席に戻った。
「へ、へえ、婚約者なんだ…でも子供の頃ってそういう口約束したりすることってあるわよね」
眞一郎には心なしか音島の表情が青くなっているように思えた。すると比呂美が制服のポケットに手を突っ込むと指輪を取り出した。
「そういえば、忘れてた。折角二人でいるんだからこれつけないと」
薬指に指輪をはめる比呂美。
「そ、それって」
顔面蒼白な音島が尋ねると比呂美は笑顔を見せて答える。
「ええ、婚約指輪です」
うっとりと指輪を見つめる比呂美。続けて追い討ちをかける。
「そういえば、音島さんは独身ですか?」
「え、ええ…」
躊躇いつつも返答する音島を見ようともせず比呂美は小さなつぶやきを聞かせる。
「その年齢で?」
机に顔を突っ伏しながら拳を握り締める音島。比呂美の口元に黒い笑みが宿る。
「ちょ、ちょっとお手洗いいいかしら」
音島はそう言い残すと腰をさすりながら会議室を後にした。


(9)夢を追う者

「はあ」
手洗い場で鏡を見つめてため息をつく音島。
「せっかくのチャンスだったのに…」
もうすぐ大台に乗ろうとする彼女は実は年下好きで、その趣味が災いしたのか未だ男性経験がなかったのだ。気持ちばかりあせるものの年下のいたいけな少年と知り合う機会も中々恵まれない。数少ないこの機会を失えばもう大台の処女は確定的と言えた。
「あの子達、当然やりまくってるのよねえ」
音島の脳裏に先ほどの比呂美の姿が浮かぶ。圧倒的な美貌と攻撃性。子供ながらに末恐ろしい少女だ。
「仲上君もなんかすごい子に引っかかっちゃったみたいね」
そういうと音島は鏡の中の自分を真剣な顔で見つめ頬を叩いて気合を入れる。
「よし、公私混同はここまで、これからはビジネスでいくわよ!」

その頃、会議室に残された眞一郎は比呂美をじっと見つめていた。
「なに?」
眞一郎のいつもとは異なる視線に気づいた比呂美はそう尋ねてくる。
「あの言い方は流石にちょっと問題があるよ」
眞一郎の意見に比呂美は真剣な面持ちを見せる。
「眞一郎君、だまされちゃ駄目よ。あの女、眞一郎君を狙ってるんだから」
「音島さんが?まさかぁ」
比呂美の言葉を一笑に蹴ってしまう眞一郎。
「本当よ、さっきお手洗いで聞いちゃったんだもの」
比呂美の反論を聞くと流石に眞一郎もそれを笑い飛ばすことはできなかった。
「ついて来て正解だったわ。担当が女性だって聞いていやな予感がしてたのよね」
どうやら比呂美が眞一郎に同行してきたのは女性編集に対しての牽制が目的らしい。それを聞いた眞一郎は納得と呆れが混じった複雑な気分を味わっていた。
「全くお前ってやつは…」
そう言いながらも眞一郎の比呂美を見つめる瞳は温かい。
「お前が嫉妬深い女だってのはちゃんとわかってるし、そこも魅力的だと思うよ。でもわかってほしいんだ。今回の持込には俺の夢の実現がかかっているんだってことを」
眞一郎の反論は比呂美には予想外のことだった。呆然としつつも比呂美は眞一郎の話を聞き続けた。
「もし音島さんが俺にそういう気があったとしても俺がしっかりしていれば何も問題ない筈。絵本作家デビューのチャンスを担当者に対する選り好みで潰したくはないんだ」
眞一郎の意見ももっともだと比呂美は感じた。まずはデビューすることが最初の壁で、とりあえずこの壁をどうにかして乗り越えないと先には進めないのだ。
「ごめんなさい」
肩を落として素直に謝る比呂美。眞一郎は比呂美の頭をなでる。
「わかってくれればいいよ」
比呂美は眞一郎を潤んだ瞳で見つめる。眞一郎もまた比呂美を見つめてその頬を撫でた。
「コホン」
ひどくわざとらしい咳払い。いつの間にか音島が戻ってきていたのだ。慌てて手を引っ込める眞一郎。
「あ、あの…さっきはごめんなさい…」
うつむき加減の比呂美は恐る恐る上目遣いで音島に謝罪の言葉を述べる。音島はため息をつきながら比呂美を見つめた。
「まあ、彼氏に別の女が近づくのが嫌だっていう気持ちは理解できない訳でもないわよ」
そうは言うものの実は彼女は彼氏いない歴と年齢がイコールになる。だが黙っていればわからないだろうと音島は考えたのだ。
「じゃ、早速見せてもらおうかしら。絵本」
「え?」
音島が続けた言葉は比呂美の想像外のものだった。てっきり眞一郎が手に入らないというならすぐに見捨てるものとばかり思っていたのだ。
「それって…」
驚きの表情を見せる比呂美を優しく見つめる音島。
「あら、私はこれでもプロよ。見込みのない相手を一々呼び出したりはしないわ。まああわよくば公私混同しようとも思ってはいたけれどね」
「それって…つまり…」
「ええ?彼の本を出すことは出来るだけ前向きに検討するつもりよ」
音島の言葉に比呂美の顔が一気に明るみを増す。
「じゃ、見てください」
比呂美と音島が話をしている間に眞一郎はカバンからスケッチブックを取り出し音島へと差し出した。音島は無言でうなづくと食い入るように眞一郎の絵本を読み始めた。


(10)タイムリミットオーバー

よくもまあひとつの絵本だけでこんなにも話が出来るものだ。そう比呂美は感じていた。ここの絵は子供はこう受け止めるだの、やれこの言葉遣いでは子供には伝わりにくいだの、やれこの終わり方は誰々の影響が見えすぎるだの…そんなこんなで眞一郎と音島の話し合いは延々と続いていた。しかも絵本の良し悪しなど判断がつかない比呂美には話に割り込むことも出来ない。ただ真剣な面持ちで瞳を輝かせる眞一郎はやはり素敵だとは思う。眞一郎は夢を追っていてこそ眞一郎なのだと。つくづく先ほどの自分の浅慮を思い知らされる比呂美。もう少しで彼の夢を壊してしまうところだったのだ。そんなことを比呂美が考えつつふと時計を見るとすでに5時近くになろうとしていた。辻褄合わせの為の班への合流は5時半にホテルの傍の喫茶店で行うことになっている。もうそろそろここを出ないと間に合わないだろう。比呂美は真剣に話し合う二人の間に恐る恐る割り込んだ。
「あの…眞一郎君?そろそろ」
比呂美が目で時計を指し示すと眞一郎は比呂美の意図を受け取る。
「ああ、そうか、もうそんな時間なんだ」
「でもまだこの辺の話が…」
スケッチブックを捲りながら指差す音島。
「うん、まだ話し合わなきゃいけないことがあるんだ。お前だけでも戻ったほうがいいぞ」
眞一郎の言葉に目を丸くする比呂美。今更共犯者を見捨てるようなまねが出来るはずもないだろうに。
「…一緒に戻るわ」
そういうと比呂美は携帯を取り出してメールを打ち始める。
「一応夕飯10分前までは待ってもらうけど、それまでに私たちが現れなかったらいつの間にか居なくなっていたことにしておいてって連絡しておいたわ」
それを聞いた眞一郎は比呂美に自分の班への分もお願いしてきた。
「三代吉にもメール出しといてくれないか?」
「うん、わかった」
比呂美は先ほどの朋与へのメールをコピーしてほぼそのまま三代吉へのメールとして送信した。
「じゃあ、一旦携帯切るわよ。眞一郎君も切っておかないと先生から電話くるかもよ」
「おお、そうか」
比呂美はこういう細かい所によく気づくなと感心しつつ眞一郎も携帯を取り出してその電源を切った。

眞一郎と音島の会話は更に続き、一段落した頃にはもう7時過ぎになっていた。
「じゃあ、一度この線で社長に掛け合ってみるから」
「はい、お願いします」
どうやら後は社長がGOサインが出すだけで眞一郎の絵本は出版が確定するらしい。これは期待出来るだろう。正直比呂美は眞一郎の絵本作家への夢が叶うときが来るとしてもそれはもっと先のことだとばかり思っていた。高校生の段階でデビュー出来るなどとは夢にも思わなかったのだ。とはいえまだ100%決まったわけでもない。油断は禁物だと比呂美は感じていた。
「まあ、私の首を賭けてでも社長の首を縦に振らせて見せるわ」
音島の言葉は二人にとって心強いものだった。これならばかなり期待で切るだろうと思わせてくれる。
「社長さんは今居ないんですか?」
比呂美の質問は当然のものだろう。眞一郎もまた出来れば今日中に結論を聞いておきたかったのだ。
「予定では4時半から印刷会社の人と会うことになってるみたいだったけど」
音島はそういうと会議室を抜けボードを指差した。
「やっぱり居ないわね。でも私が留守のときにあってるでしょ?」
「え?」
続けて会議室を抜け出た比呂美は驚きを隠せない。あの柔らかい表情が逆に胡散臭いと思ってしまった人が社長だったのだ。そんな比呂美をきょとんと見つめる眞一郎。彼は特に社長を胡散臭いとは思わなかったようだ。
「社長も直帰みたいだし、じゃ今日はこの辺でお開きってことで」
「どうも…」
眞一郎が音島に別れの挨拶を切り出そうとすると比呂美が荷物をあさり始めた。
「待って眞一郎君」
「うん?」
比呂美は荷物の中から菓子折りを取り出すと音島に差し出した。
「ぎんなん餅です。よかったらどうぞ」
「あら、地元の名産品?ありがとう」
笑顔で菓子折りを受け取る音島。本当に比呂美は細かい所に気が届くなと眞一郎は思う。菓子折りなどの必要性を眞一郎は考えもつかなかった。比呂美を連れて来て正解だったかもしれない。そう眞一郎は考え直すのだった。


(11)帰り道

「思ったよりおいしかったわね」
「そうだな」
神保町のファミレスを後した眞一郎と比呂美はのんびりと駅に向かう。出版社を出た直後、今からホテルに戻っても夕飯があるかどうかわからないと考えた比呂美は宿に戻る前に夕食を済ませておこうと提案したのだ。
夜の町を制服姿で歩く二人。地元とは違う夜の風景がことさら旅の実感を増幅してくる。
「東京の本屋ってもっと遅くまでやってるものだと思ってたけど」
本屋は古本屋ふくめて二人がファミレスに入るよりも前に閉店になっていた。だがオフィスビルなどはそこかしこに明かりが沢山見える。
「なんかここは特殊な場所らしいぞ」
眞一郎が浅識を披露する。ここは東京でも特別なのだと。
「東京か…2年後にはここで暮らしてるのよね。私たち」
比呂美は星が全く見えない夜空を見上げながら呟いた。
「ああ」
眞一郎もまた夜空を見上げて答える。そう、二人は卒業後にすぐに結婚式を挙げた後上京する予定になっているのだ。婚約指輪を渡した後で二人で話し合った結果、そうするのが一番よいという結論になったのだ。眞一郎の夢の実現と保持の為には富山の片田舎よりも東京に出て来るべきで、眞一郎は夢に向かって全力で進むべき。そして比呂美は不安定な眞一郎の収入を補う為に東京でOLとして働く。それが二人が出した答えだった。そしてそれは眞一郎のデビューが予想よりも早かったとしても変わることはない。
「想像できないよね。東京での暮らしって」
「そうだな」
ここは麦端とは何もかも違う街だ。仕事も遊びも、ともすると恋愛だって違うかもしれない。もしこの街で生まれ育っていたら私たちは結ばれていたのだろうか?そんな疑問が比呂美の中に芽生える。眞一郎はそんな比呂美の視線に気づくと暖かな目で尋ねる。
「ん、どうした?」
「ううん、なんでも」
そう返しつつ比呂美は眞一郎と腕を絡めてくる。
「ごめんね。今日…」
比呂美はうつむき加減でそう呟いた。
「別にいいよ、音島さんも気にしてないみたいだったし」
前を向いたまま答える眞一郎。だが比呂美は首を横に振った。
「ううん、それだけじゃないの…私、企業研修にビール工場を選んだ…」
「ん、別に何か問題あるのか?」
「大有りだわ」
立ち止まる比呂美。眞一郎もまた足を止めて比呂美を見つめる。
「私、眞一郎君を信じてなかった…だからビール工場とか仲上酒造を継ぐ場合のこと考えてた!私はもっと眞一郎君の、眞一郎君の夢を信じなきゃいけなかったの!」
「比呂美…」
「夢を追いかけてこそ眞一郎君だもの…」
顔を上げて眞一郎を見上げる比呂美。その瞳には涙がうっすら滲んでいた。眞一郎は比呂美の頬を撫でる。
「ありがとう、でも夢が破れたときの事も考えるっていうのも十分大切なことだと思うぞ。だから気にするな。それもまた正しい選択なんだ」
「うん、わかった」
そういうと比呂美は涙を拭って微笑を見せた。眞一郎もまたそんな比呂美を見ると自然に笑みがこぼれてくる。
「そろそろ戻らないとな」
「うん」
そう言うと二人はまた駅へと進み始めるのだった。


(12)エピローグ

ホテルへ帰った二人は案の定、教師達からみっちり絞られることになった。だが教師達が二人に何処に行っていたか尋ねても比呂美は“眞一郎の用事に付き合っただけ、デートではない”と返すのみ。眞一郎もまたそんな比呂美を見て黙秘を決め込んだと言う。その後、教師たちの話し合いの結果、3日目の遊園地での二人の行動は所属班と離れそれぞれの担任と共に過ごすことになった。要するに担任の生徒たちへの監視に付き合わせることで遊園地で遊ぶ事を禁止したわけだ。朋与に言わせれば行き過ぎたペナルティと言う事になるが比呂美は致し方のない罰だと感じていた。そして比呂美は遊園地で遊ぶ同級生たちを見つめてこう感じたと言う。
「東京は遊園地に似ている。楽しく刺激的で夢を見れる場所。でもそれゆえに非現実的な場所」
だがエネルギーの、力のある者は、この夢の見れる場所で夢を掴んで非現実的なリアルを手にするのだろう。そして願わくば眞一郎もまたその一人であって欲しいと比呂美は切に願うのだった。




###########

あとがき:

短くさっと終わる話だとばかり思っていたが書いてみたら結構長いんでやんの。トロトロ書いてたからだろうか?

修学旅行シーズン。俺は5月6月というイメージを持っていたが実際には9月10月辺りが多いらしい。後、企業研修とか昔はそんなのなかったよねえ。いつごろから出来たんでしょうか?あと黒ねずみ遊園地とかも結構多いパターンらしい。ちなみに一応修学旅行の日程は組んであるものの全く使うことは無かった。ついでだから以下日程を簡単に説明。

初日:行きは高岡までクラス別貸し切りバス、2台単位で30分時間を空けて3回に分けて出発。そこからJR特急はくたかで2クラス単位で越後湯沢へ、その間に用意した弁当を食べる。短すぎる乗り継ぎを無視して一本遅らせ上越新幹線で東京へ。東京駅からはまたクラス別貸し切りバスで両国のホテルへ。部屋割りは2,3名単位(基本同じ班どうし)チェックイン後、クラス単位で徒歩で江戸東京博物館へ。その後ホテルで夕食
二日目:ホテルで朝食後班単位(5名が基本)で企業研修と自由時間。行動予定は旅行前に担任に提出しておく必要がある。企業研修は旅行後にレポート提出あり。午前中に企業研修を済ませておくのが殆ど。当然夕食までにはホテルに戻らなければならない。
三日目:朝食後、貸し切りバスで黒ネズミ遊園地へ、園内でも行動は班単位。ホテルに戻った後夕食。
四日目:朝食後、貸し切りバスで松本城周辺へ。班単位での昼食と観光の後にバスで学校へ向かう。

厄介なのは行きと帰りの昼食ですね。中々に難しい。帰りの松本城もある意味苦し紛れでこの辺で大量の人員が昼食取れるかは不明。

神保町ですがもうずっと行ってないので現状はどうなってるのか知りません。さらに言えば夜に行ったことは全くないですし。コミック高岡は今もコミケ合わせで休みになってるんでしょうか?
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