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2009-04-25(Sat)

二年次05月上旬:「四人の温泉旅行」(18歳未満閲覧禁止)(前編)

true tears 二次創作小説です。本編全話視聴終了済みの方のみご覧ください。



二年次05月上旬:「四人の温泉旅行」(18歳未満閲覧禁止)(前編)








(1)形容詞の比較級

私が小学校からお店へと直行すると、中にはすでに比呂美ちゃんと眞一郎の姿があった。
「あ、愛ちゃん」
「おかえり」
私に気づいた二人は挨拶をしてくる。本来はこの店は自宅ではないのだが、二人にとってはここが私の家という感覚なのだろう。私も彼らの挨拶に普段どおりに返すことにする。
「ただいま」
そういうと私はランドセルを椅子の上に置きながら二人の対面に座った。
「父さん、コーラ」
私は今川焼きを焼いている父さんに向かって注文をする。父さんはしかめっ面をしながらぶっきら棒に返答してくる。
「今は手が離せないな。自分で出しな」
私は渋々立ち上がると厨房側に入ってコーラのビンを取り出した。そして栓を抜きストローを差し込んでまた客席に戻る。
「大体コーラだってただじゃないんだぞ」
父さんの愚痴はいつもの事だ。取りあえず私は無視を決め込む事にした。そして対面で紙切れをじっと覗き込むようにしている二人に尋ねる。
「何?」
眞一郎が紙切れを仰ぐようにしながら答える。
「テストだよ。算数の」
「眞一郎君、ちょっと点数が悪かったって言うから、少し教えていたの」
「ふうん…」
二人の返答を聞き流す私。すると父さんはボソリと呟いた。
「比呂美ちゃんはすごいよね。うちの娘もそれくらい優秀だったら良かったのに…馬鹿で困るよ。チビだしな」
父さんの言葉に含まれている小さな針が私の心に刺さってくる。
「…どうせ私は頭悪いですよ。それにチビは父さん譲りだよ」
たしかに私はテストの点数があまり良くない。それに比呂美ちゃんは私に読めないような難しい漢字ですらもすらすらと簡単に書いてしまう。テストも殆ど100点に近い点数しか取った事がないらしい。私とは根本的に頭の出来が違うのだ。そして身長も年長の私が3人の中で一番低い。私には年上の面目と言うものが保てる事など殆どないのだ。そんな事を私が考えていると眞一郎が父さんを見つめて反論しだした。
「愛ちゃんは馬鹿じゃないよ。おじさん」
眞一郎の言葉は私の心に刺さった小さな針をゆっくりと溶かしていく。そう眞一郎は、眞一郎だけは私と比呂美ちゃんを比べない。比べたりしないのだ。そして私は眞一郎を見つめる。いつだったろうか。この思いに気づいたのは。いつの間にか眞一郎は私にとって特別な存在になっていた。その眞一郎は隣の比呂美ちゃんから答えの出し方を聞いて頷いている。眞一郎の隣にいると比呂美ちゃんは本当に楽しそうな顔を見せるのを私は知っている。そう、わかっている。彼女もまた私同様に眞一郎の事が好きなのだ。そして多分眞一郎も…
「坊ちゃんは優しいねえ。誰かと違ってただ食いもしないし」
父さんの言葉が私の心にまた小さな針を刺した。
「別にいいでしょ。うちの店なんだから」
私は父さんの言葉に傷ついている事を表に出さないように気をつける。眞一郎が好きなのは比呂美ちゃんのようなしっかりした子なのだ。私はもっとしっかりするか、あるいはしっかりして見えるようにしなければならないのだ。私は棚の方まで行きトランプを取り出すとテーブルの上に置いた。
「勉強は学校できちんとすればそれでいい筈。学ぶときは学ぶ。遊ぶときは遊ぶ。けじめをつけないとね」
「愛ちゃんの言うとおりね。じゃ、続きはまた次の機会にしましょう」
比呂美ちゃんは私の言葉に同意したようだ。眞一郎もまた私の意見に納得したようでテスト用紙をランドセルに仕舞い込んだ。
「さ、何する?」
トランプを切りながら尋ねる私。
「じゃあまず七並べで」
「オーケー」
私は比呂美ちゃんのリクエストに従ってカードを配り始めた。その後、ブラックジャックやポーカー、ダウトなど幾つかのゲームに切り替えたが、その殆どは比呂美ちゃんの圧勝だった。頭を使うのも得意なら運もわりと強い。そしてスピードなどの反射神経が重要なゲームもまた彼女の独壇場なのだ。私は彼女にはずっとかなわないのかも知れない。そんな事を考えてしまう。私同様に負けている眞一郎は何故か嬉しそうに比呂美ちゃんを見ている。眞一郎は比呂美ちゃんが勝つのが嬉しいのだろうか?そんなに強くてしっかりした子が好きなのだろうか?眞一郎は私を一番に見てはくれないのだろうか?そんな葛藤を抱え続けた私が眞一郎の好みを誤解していた事を知るのはまだずっと先の話になるのだった。


(2)1/fゆらぎの振動

電車の振動が眠気を誘ったのだろう。いつのまにか湯浅さんは隣の男にもたれかかる様に居眠りをしている。
眞一郎はそんな彼女を隣で愛しそうに見つめている。こいつらは本当に通じ合っているというのが俺の目にもわかる。本当に羨ましい限りだ。いつかは俺と愛ちゃんもこいつらみたいになれるのだろうか。俺は隣にいる一つ年上の小柄な少女に目を向けた。愛ちゃんもまた眞一郎達を見つめている。ただその視線は俺とはまた違った意味を持っているように思える。多分彼女の中にはまだ眞一郎への未練が少し残っているのだろう。そんなことを考えていると彼女が視線に気づいて俺の方を見つめる。俺が慌てて目を逸らすと彼女もまた視線を泳がせたようだ。まずい。こんな時はなんと言えばいいのだろう。そんな事を考えていると車内アナウンスが流れ始めた。どうやら大き目の駅に着くらしい。まだまだ先は長い。そろそろ腹に何か入れておくといいかもしれない。
「腹へらね?」
「いいけど。駅の構内で?」
愛ちゃんが俺の顔を覗き込んできた。
「いや、どうせなんだから駅弁でも食おうぜ。眞一郎もいいよな?」
「俺は構わないが…」
眞一郎はそう答えると眠っている湯浅さんを見つめる。そして少し躊躇した後、彼女の肩を揺らし始めた。
「おい、比呂美。起きろ」
湯浅さんは寝ぼけ眼を擦りながら姿勢を正す。
「うーん」
「駅弁どうする?」
「…眞一郎君はもうちょっと足腰鍛えたほうが…」
なにやら意味不明な返答をする彼女。
「…寝ぼけてるな」
正直、湯浅さんのこんなだらしない姿を見るのは初めてだ。彼女にもこういう面があるとは思いもしなかった。眞一郎は彼女のこんな姿も見慣れているのだろうか。奴はただ優しく恋人を見つめていた。
「比呂美、食事どうする?駅弁でも買うか?」
眞一郎の言葉に湯浅さんは段々意識がはっきりしてきたらしい。
「ご飯?」
欠伸交じりに会話の内容を確認してくる湯浅さん。そんな彼女から視線を俺の方に移しながら愛ちゃんが口を開いた。
「私は鱒寿司がいいかな。三代吉は?」
「俺も同じでいいよ」
「じゃ、俺たちも…」
眞一郎も俺たちの答えに習おうとすると湯浅さんは奴の前に手を出してそれを制止した。
「ちょっと待って」
「他のがいいのか?」
眞一郎の問いかけに湯浅さんは手荷物をあさり始める。
「一応おにぎりは少し用意しておいたけど…どうする?」
そう言うと彼女はタッパーを取り出した。
「別に今すぐ食べなくても夜食とかにする手もあるけど」
そう付け足す彼女。俺と愛ちゃんは顔を見合す。
「じゃあさ、鱒寿司を一個だけ買って皆で分けるってのは?」
眞一郎の提案。だが愛ちゃんから忠告が入る。
「小さいのもあるけど…本来の鱒寿司は一個で二人分以上あるのよ?」
「大丈夫だって。俺も眞一郎も結構食うし。お握り食って鱒寿司の半分くらいなら十分食いきれるだろ」
俺はおにぎりも鱒寿司も食べきることが出来ると断言して見せた。
「私は少食なんだけどな」
「大丈夫、愛ちゃんが残しても俺が全部食って見せるから」
で結局俺の意見が採用され俺は2個分つまり四人分の鱒寿司をホームの売店で購入した。そしてまず鱒寿司を分割して皆で食べる。おいしいねとそれぞれが一口目の感想を述べていると列車はまた動き出した。そして動く列車の中のボックス席で流れる景色を眺めつつ仲良く駅弁を食べる。本当に俺たちは旅行をしているんだという実感が沸いてくる瞬間だ。そして結局愛ちゃんは半分の鱒寿司の内の4分の3ですなわち8分の3、残りの8分の5は俺が食べることになった。眞一郎も湯浅さんもきっちり半分食べきったようだ。そして眞一郎は湯浅さんの用意したおにぎりに手をつけ始めている。どうやらおにぎりはまたも筍の炊き込みご飯らしい。ちょっと拘り過ぎだと感じながら俺もおにぎりに手を伸ばした。8個用意してあったおにぎりの内の半分の4個が俺のノルマだったわけだが正直2個食った段階でもう腹いっぱいになっていた。だが食べるといってしまった手前投げ出すわけにもいかない。
「大丈夫?三代吉」
愛ちゃんが心配そうな顔を見せてくるも俺は大丈夫と強がって何とかノルマを平らげることに成功した。眞一郎も自分のノルマをこなしてちょっと苦しそうだ。
「ごめんね、眞一郎君。私が勝手におにぎり作ってきたばっかりに…」
「大丈夫、すぐに消化するよ。これくらい」
湯浅さんは眞一郎の心配ばかりで俺のことは全く気にかけてないようだ。まあ彼女はそういう性格だというのは俺もとっくに気がついている。むしろ愛ちゃんが眞一郎でなく俺の心配をしてくれたことを喜ぶべきだろう。俺たちの距離は着実に近づいている。今回の旅行の間にゴールできる可能性がまた少し上がったと俺は感じていた。

食事の後はトランプで時間を潰す事になった。トランプは先月愛ちゃんからの眞一郎への誕生日プレゼントとして渡したやつだ。電車の中でも出来るゲームは限られる。ババぬきやポーカー、ページワン、この3種のゲームを行ったが、その殆どは湯浅さんの一人勝ちになった。始まる前にトランプと聞いて愛ちゃんが苦い顔をした理由がなんとなくわかった気がする。勝ちが一人に偏ると負け続きの残りの者はあまり楽しくなくなってしまう。これ以上場の空気を悪くしたくないと感じた俺がもうトランプは止めようと言いかけたとき車内アナウンスは目的地が近づいたことを教えてくれた。助かったと俺は胸を撫で下ろす。隣の愛ちゃんもまた同じように胸を撫で下ろしていた。同じことをしていた事に気づいた俺たちは顔を見合わせて苦笑いをしたのだった。


(3)オーガズム曲線

至福の時間は十数分間ほど続く。男の子だと絶頂はすぐに終わってしまうらしい。女に生まれて本当に良かったと思う反面、眞一郎君がかわいそうだとも思う。そのかわいそうな眞一郎君はコンドームを結んでロフトのベッドサイドに常備してある小さなゴミ箱に放り込んだ。そしてその傍にあるティッシュ箱から2枚を取り出して一枚を私に差し出した。
「ありがと」
私はティッシュを受け取るとラブジュースで濡れた股間を拭いた。眞一郎君もティッシュで後始末をしている。そして眞一郎君はそれをゴミ箱に放り込むと私をしばらく見つめて口を開いた。
「なあ、お前ゴールデンウィーク予定空いてるよな」
「うん。空いてるけど」
私は丸めたティッシュを眞一郎君に投げる。眞一郎君はそれを受け取るとまたゴミ箱に捨てた。
「うん、実は…三代吉がな」
「眞一郎君は野伏君とどこか行くの?」
私は思わず眉をひそめる。恋人をそっちのけにして友達と遊びに行くというのだろうか?
「いや、そうじゃなくて、いや、そうなんだけどちょっと違うんだ」
じゃあ、どういうことなのだろうか?私が頭を悩ませていると眞一郎君は話を続けた。
「四人で出かけないかって」
「四人?愛ちゃんも?この間みたいに?」
春休み中の月曜に私たちは野伏君の提案により四人で遊園地に出かけた。彼にちょっとした借りがあった私たちは誘いを無下に断ることなど出来ないし、愛ちゃんに私たちの熱愛を見せ付けるチャンスでもあったからだ。そして遊園地では私は眞一郎君と思い切りイチャイチャして見せた。愛ちゃんたちはちょっと呆れてたみたいだったが、彼女が眞一郎に未練を残さないようにするには必要なことだったと思っている。そうなふうに私が瞬間的に遊園地での事を思い返している間にも眞一郎君は話を続けていた。
「うん、温泉に行きたいんだと。でも流石に二人きりだと愛ちゃんが首を縦に振らないだろうから」
「なるほどねえ。で予算は幾ら位なの」
「それなんだが、うまく行ったら俺らの分の半額出してもいいって三代吉が」
「うまくって…最後まで行くつもりなの?」
いつの間に二人の関係はそこまで進展したのだろう。もうゴールまで後一息だとは。
「うん、三代吉自身はそういうつもりの旅行らしい」
眞一郎君もそうそう最後までいけるは思ってはいないようだ。
「なるほど…半額ね。うん、わかったわ。行きましょう温泉」
「そうか。良かった。ありがとう。あいつも喜ぶよ」
そういうと眞一郎君は私にキスをしてきた。彼は私が半額に釣られたと思っているかもしれない。でも私の真意は他にある。愛ちゃんが本当に野伏君を選んだのか確認したいのだ。眞一郎君に未練を残してないかはっきりさせたい。そう思って私は温泉旅行に同意したのだ。そして長いキスを終えると眞一郎君は私に質問をしてきた。
「そういやお前って温泉いったことあるのか?」
「ないわよ?家はそんなにお金なかったしね」
「俺もだよ。親父は年中仕事してるから。そんな暇ないみたいで」
お金持ちの眞一郎君が温泉が初めてと言うのはちょっと意外だったが、おじさんの休暇の問題ならば納得が出来る。私が同居していた一年ちょっとの間もおじさんが休みだった日などなかったように思う。本当に仕事一筋な人なのだろう。
「じゃ、私たちはじめて同志だね」
「そうだな」
そういうと私と眞一郎君は笑いあった。初めての温泉旅行。二人きりでないのがちょっと残念だが、初めての恋人との旅行に私の胸は期待を覚えずにはいられなかったのだ。


(4)期待値とのずれ

目的の宿までは結構距離がある。三代吉の予定ではタクシーを使うはずだったらしい。だが歩いて30分位だと聞くと比呂美は歩いていこうと提案してきた。何でも電車の中ではずっと座りっぱなしだったから体を動かしたいらしい。俺は別に歩いてもかまわなかったし、三代吉も体力的には余裕で大丈夫だろう。だが問題となるのは愛ちゃんだ。特に運動が得意と言う訳でもない彼女に30分もの徒歩を強要して良いものだろうか?俺と三代吉が視線で相談していると愛ちゃん本人から賛同を示してきた。まあ、いざとなったら三代吉が肩を貸したりすれば良いだろう。そんな考えを持っていた俺の甘さを比呂美の更なる提案が吹き飛ばしてしまった。電柱1本分歩く毎にじゃんけんをして負けた人に全員分の荷物を持たせようというのだ。これにはさすがに俺も反対した。だが三代吉の賛同と愛ちゃんのどちらでも構わないとする中立宣言によって比呂美案は多数決で採決される事になった。俺一人が反対を押し切っても良くないだろう。仕方なく俺も多数決決議に従うことにする。そして早速じゃんけんをする事になったが、最初の敗者は三代吉となった。三代吉は負けて全員分の荷物を持つことになった割りにやけに嬉しそうだった。そう、今回の三代吉は本当に浮かれている。でもそれも仕方ないことだろう。俺は以前の三代吉との会話を思い出していた。

「よう三代吉」
「おはようさん♪」
下駄箱前で偶然に鉢合わせた俺と三代吉は互いに挨拶を交わした。リズミカルな挨拶が示すようにその日の三代吉は妙に機嫌が良い。
「何かいいことあったのか。あ、俺とまた同じクラスなのがそんなに嬉しいのか?」
俺と三代吉は今年も同じクラスに配属となった。冗談めかして言ったことだがそれは確かに喜ばしいことだった。ただ残念な事に比呂美とは別のクラスになってしまった。まあ、別にあいつの部屋に行けば幾らでも触れ合える。すなわち学校で係われなくとも十分に取り返せるのだ。構わないだろう。大体学校では距離を置こうという比呂美の提案を俺は最初から受け入れている訳だし。ちなみに乃絵と別のクラスだったことに俺は思わず胸を撫で下ろし一安心してしまったのだが取り合えず今は関係ない話だ。
「こないだはありがとな。付き合ってくれて」
「ああ、あれぐらいどうってことないよ」
三代吉の話は春休み中に4人で遊園地にいったことについてだ。三代吉たちはまだ二人きりで本格的なデート出来るような関係にはいたってないらしい。だから俺と比呂美と合わせて4人で出かけることにして愛ちゃんを納得させたのだ。俺としては断る理由もないし、第一三代吉には借りもある。すぐに同意の返事を返した。唯一の不安材料だった比呂美も夜に話を切り出すとあっさりと同意を示してきた。そして決行されたダブルデートは概ね成功を収めたと言っていいだろう。愛ちゃんが絶叫系が苦手なのは意外だったが彼女自身はトータル的にはそれなりに楽しめたらしい。そういえば比呂美がなぜかいつも以上に甘えてきてちょっと不思議に感じたのだが。多分久しぶりの遊園地ではしゃいでいたんだろう。そんなことを考えていると三代吉がにやけながら俺の肩を強く叩いてきた。
「聞いてくれよ眞一郎。聞いてくれよ」
「わかったわかった。聞くからさ、叩くなよ」
俺は背中を擦りながら尋ねる。
「で、何かあったのか?」
「あったなんてもんじゃないぜ!キスだよ!キスしちゃったんだよ!」
「愛ちゃんとか?」
「他に誰がいるよ。あのダブルデートの後、お前らと別れ二人きりになってから話してたらいいムードになってさ…」
「そうか…良かったな」
「橋の真ん中でのファーストキス。俺は一生忘れないぜ」
拳を握って力説する三代吉。そんな三代吉を見ていると俺まで嬉しくなる。
「…でも愛ちゃんは初めてじゃないだよな」
拳を下げる三代吉。俺は慌ててフォローした。
「でも結構ハイペースじゃないか。3ヶ月ちょっとだろ?」
俺の言葉に三代吉は半目を見せる。
「付き合ってすぐに最後まで行ってる奴が言うか?」
三代吉は痛いところをついてくる。反論できずにいる俺に三代吉は言葉を続けた。
「でも俺だって!あと少しなんだ!そう、ゴールデンウィークこそが勝負のときだ!」
「が、頑張ってくれよ」
漫画だったら目から炎が出そうなほど燃えている三代吉。俺はそんな奴の成功を祈らずにはいられなかった。

そして俺が三代吉との会話を思い返してる間も電信柱ごとの荷物もち決定じゃんけんは続き、結局言いだしっぺの比呂美は殆ど荷物を持つこともなく、そして一番荷物を持つことになったのは愛ちゃんだった。途中、疲れを見せた愛ちゃんに三代吉が助け舟を出そうとはしたのだが、比呂美がそれをルール違反だと禁止してしまう。そんなこんなで旅館につくころにはもう愛ちゃんはふらふらになっていたのだった。

    (中編へつづく)
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