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2008-12-24(Wed)

二年次12月中旬:親子の絆(前編)(前倒し先行公開)

true tears 二次創作小説です。本編全話視聴終了済みの方のみご覧ください。



二年次12月中旬:「親子の絆」(前編)(前倒し先行公開)








久々にバスケ部の練習が休みの日。私は雪道を一人、自宅に向かう。雪で冷やされた冷たい風が私の左頬を突き刺す。私は 左手を見つめ、その手を繋いだり絡めたりする相手の不在を嘆いた。そう、何時もなら練習休みの日は眞一郎君と校門前で待ち合わせて一緒に帰るのだが、生憎と今日は一人だ。今頃、彼は公民館で麦端踊りの練習をしている頃だろう。本来なら今年は踊らなくてもいいはずだったのだが、先日踊り手の一人がスキー中に足を骨折してしまい、急遽眞一郎君にお鉢が廻って来たのだ。
「全く、誰よ。足折ったの」
私が骨折した人を呪うなどと不謹慎なことをしながらアパートの前まで辿り着くと、そこには寂しそうに階段に腰掛けている男の子がいた。
「どうしたのボク?」
私が声をかけると男の子が半泣きの顔を上げる。見たような気がするその顔は、たぶん最近越してきた母子家庭の子供だろう。
「おなかすいた…」
年のころは小学校の低学年くらいだろうか。確か子供の頃はおやつとか必要の筈。夕方にお腹を空かしていてもおかしくはない。
「ボクはココの子よね?なんで部屋に入らないの?」
「カギ忘れた…」
私は僅かな逡巡の後に彼の肩に手を掛けた。
「じゃ暫く私の部屋に来る?」
「え?でも…」
明るい返事を期待していた私は彼の暗い声に少し戸惑う。
「遠慮しなくてもいいわよ。おやつも出すし」
彼は暫く考えた後に口を開いた。
「ごめんなさい。ママからお姉ちゃんと口を聞くなって…」
「へ?なんで?」
何か気に障ることでもしたのだろうか?特に身に覚えはないが。
「だって…お姉ちゃんは男をとっかえひっかえして連れ込んでいるって…」
「な!?」
私は込み上げた怒りの叫びを必死で抑えながら否定の言葉だけを吐き出した。
「それは違うわ。私は彼氏一筋だから。男をとっかえひっかえなんてしてないわよ」
「男を連れ込んでいることは否定しないのね」
突然の後ろからの声。私が振り返るとそこにはいかにもキャリアウーマン風の女性の姿があった。
「ママ!」
男の子は立ち上がると母親に駆け寄る。
「全くあれほどカギはいつも大事に持ってなさいと言っておいたのに…」
「御免なさい」
きつい母親の言葉に男の子の歩みが鈍る。母親は息子の横を通り過ぎると階段を上っていく。母親の背中を申し訳なさそうに見つめる男の子。
「ほら早くしなさい。私は急いで仕事に戻らないといけないのよ」
「う、うん」
男の子は慌てて母親の後を追う。ため息を一つ吐き出した後、私も階段を上がっていく。私が2階の自室へ向かっていると。隣の部屋のドアから先の母親が出てくる。
「じゃ、私はまた仕事に戻るから」
「ど、どうも…」
母親は私をじっと軽蔑の視線で見つめた後、ゆっくりと口を開いた。
「貴方が男をとっかえひっかえしてようと彼氏一筋だろうと、男を連れ込んでいるのには変わりないの。正直やめてくれない?子供の教育に悪いから」
「な!」
「時たまかすかに聞こえてくるのよ。夜中の喘ぎ声。子供がその意味に気づいたらどうするの?」
「それにこのアパートには結構独身女性が多いの。知ってるでしょ。若い男が出入りしてたら皆不安になるわ」
矢継ぎ早にまくし立てる母親。私は彼女を睨みながら呟く。
「…眞一郎君は他の女には手を出したり色目を使ったりしません…」
「どうだか。誰か被害にあってからじゃ遅いのよね」
私は必死に感情の爆発を抑えながら笑顔を作る。
「大丈夫です。眞一郎君は。もし万が一、彼が他の女に手を出したなら…私が彼を殺します」
「こ、殺すって…本気?」
母親はたじろぎながら呟いた。
「勿論、私も後を追いますけど」
「と、とにかく少しは自重してよね!」
母親は捨て台詞を残すと階段を降りてアパートを後にした。私はため息をつきながら空を見上げる。
「ま、そんなこと有り得ないけどね」
曇り空から少しだけ夕焼けが顔を覗かしている。私は歩き出しながらポケットから鍵を取り出し部屋のドアを目指した。

数日後、部活を終えた私はスーパーに寄り道して夕食の買出しを済ませ家路へと急ぐ。
「早く帰って夕食の支度をしないと」
部活の後のミーティングが予想外に長引いた為、眞一郎君が稽古を終えて尋ねてくる時間に夕食を作り終わることが出来そうにない。祭りが終わるまでの間はどうしても二人の時間が削られてしまう。その分出来るだけ二人の時間を取りたいのに。とそこに携帯の呼び出し音が。歩きながら私が携帯を開くとそこには眞一郎君の名前が表示されていた。
「はいもしもし」
「あのさ、うん、言いにくいんだけど…」
「夕飯の支度、ちょっと遅れそうなの。ごめんね」
「いや、その…踊りのメンバー皆で食事をしないかって事になってさ。断れる空気じゃなかったんだよ」
私は足を止めて呟く。
「夕飯いらないってこと?」
「うん、ごめんな。後でいくから。そっち行く前にまた電話するよ」
「…わかった」
私は携帯をしまいながら空を見上げる。曇っぽい夜空から雪が舞い降り始めている。また寒くなりそうだ。私はとぼとぼと歩き始めた

アパートまで私がたどり着くいたころにはすでに雪は本降りに近い状態だった。服についた雪を手袋で払った後、その手袋をしまいつつ階段を上がる。部屋の前までたどり着きドアの鍵を開けているとちょうど隣の部屋のドアが開いた。そして中からは昨日の男の子が現れる。
「こんにちわ」
「こ、こんにちわお姉ちゃん」」
戸惑いながらも挨拶をきちんと返してくる。そんな男の子に私は微笑みながら尋ねる。
「この雪の中お出かけ?」
「え?雪降ってるんだ」
男の子は廊下から外を見つめて言葉を続けた。
「でも行かないと食べるものがないし」
「夕食のこと?お母さんは作ってくれないの?」
「お母さんは忙しいんだ。だから僕はほとんどカップラーメンばかりで…でもちょうど買い置きが切れちゃってて…」
「カップ麺ばかりって…」
私は暫くの逡巡の後に一つの提案を繰り出した。
「お姉ちゃんのところでご飯食べる?」
「え?いいの?」
うれしそうな顔を見せる男の子。私も釣られてつい笑顔になってしまう。
「うん、どうせ二人分の材料買っちゃったしね」

「はい出来たわよお待たせ」
私はテーブルに料理を並べていく。
「うわトンカツだあ。なんか久しぶり」
男の子はそういうとテーブルの上に乗せていた教科書と学習帳を絨毯の上に下ろした。
「宿題?」
「ううん、学校の授業の復習」
「偉いね」
「…違うよ」
男の子はつまらなそうな呟きの後に何も言葉を続けない。何か聞いてはいけない事なのだろうか。私は話題を変えることにした。
「トンカツにはソースかける?それとも醤油?」
「とんかつソースかな」
「うーん、生憎家にはないなぁ」
「じゃ、ソースでいいよ。あとマヨネーズ」
「マヨネーズもかけるの?」
「うん、家は皆そうしてる」
「ふーん。じゃあ私も真似してみようかな。初挑戦だ」
「じゃ、いただきます」
そうして私は初めての味に挑戦したものの、正直不味くはないものの今ひとつという感じで私はちょっとだけ後悔を感じた。

「ごちそうさま」
この子は食前食後とも挨拶が実にきちんとしている。親の教育がしっかりしているのだろう。
「お粗末さまでした…で、どう?美味しかった?」
「うん、おいしかったよ。お姉ちゃんは?」
「うーん、正直あまり好きな味じゃなかったかな。いや美味しいんだけど。よその家の味って感じかな」
「そっか…よその家の味か…じゃ仕方ないかな」
男の子は複雑な表情を見せる。するとそこに携帯のメール着信音が。私が携帯を開いて操作するとそこには眞一郎君からの謝罪メールが現れる。会食が長引きそうなので今日はもうこちらには来ないことにするらしい。私は深いため息をついた。
「どうしたの」
男の子が不安げに尋ねてくる。私は来る筈だった彼氏が来れなくなった事を伝えた。
「寂しい?」
不意の質問が私の心を突き刺す。私は暫く押し黙った後でゆっくりと答えた。
「…そうかもね」
「もうちょっとここにいてもいい?」
男の子は私の顔色を伺いながら尋ねてくる。私は微笑みながら答える。
「ええ、いいわよ」

翌日、私は帰宅するとすぐに隣室に向かい呼び鈴を押してみた。
「どちらさまですか?」
閉まったままのドア越しに男の子の声が聞こえる。
「お隣の湯浅です。えーと…」
私のその時初めて男の子の名前を聞いていないことに気づいた。するとドアが開き男の子が顔を出す。
「お姉ちゃん?どうしたの?」
「うん、またカップ麺を食べてるのかなと思って。で、もし良かったらお姉ちゃんと一緒に晩御飯食べてくれないかな。話し相手になってくれると嬉しいんだけど」
私は半屈みになって男の子と目線を合わせる。男の子は恥ずかしそうに応えた。
「まあ、そんなにいうなら…」
「そうだ、ボク、名前聞いてなかったよね」
「熊鳴学(くまなきまなぶ)。麦端小学校2年4組。お姉ちゃんは?」
「比呂美。湯浅比呂美よ。麦端高校2年A組。よろしくね。マー君」
「マー君?」
「うん、学だからマー君」
「…なんかこそばゆいけどお姉ちゃんならいいか…」
「じゃ行こうか」
私は男の子を連れ自室へと戻っていく。

美味しそうにスパゲッティを平らげたマー君に私は一つ質問をしてみた。
「お母さんっていつも何時くらいに帰ってくるの?」
「うん、10時過ぎとかが多いのかな」
「洗い物は…カップ麺ならいらないか。じゃお風呂は?洗濯は?」
「お風呂は自分で入れて入りなさいって言われてるけど…ボクお風呂嫌いなんだ。洗濯は朝方お母さんがやってるよ」
この答え方からするとこの子はあまりお風呂に入ってないらしい。私は一つの提案を出してみた。
「じゃ、お姉ちゃんと一緒に入る?」
「え?お姉ちゃんと?」
マー君は少し戸惑っているようだ。私も我ながら大胆な発言だったと思う。まあでも小学2年生なら母親と入ってもおかしくはない年齢だ。これはセーフだろう。マー君は少し考えた後で答えた。
「うん、お姉ちゃんと一緒なら…」

「やっぱユニットバスに二人は狭いか。片方子供でも」
私はマー君を背中から抱きかかえるようにして湯船につかる。以前眞一郎君と一緒に入ろうとした時は本当に狭苦しかった。やはり大人二人がユニットバスに入るには無理があったのだ。大人一人子供一人なら大丈夫かと思ったがそれでもちょっと狭い。まあ大人二人よりはましなのだが。マー君は暫く大人しくしていたがやがて私の胸にうなじを押し付けてきた。
「ちょ、ちょっと…」
マー君は体勢を変えると膝立ちで私と向き合う。マー君は私の胸を見て目を丸くする。
「すごいや浮いてる!」
私はちょっと照れながら注意をする。
「こらこら女の人の体をそんなにまじまじ見ない」
「でもほんと大きいよね。服着てたときは判らなかったけど。本当はすごく大きかったんだ」
この1年で急成長をとげたこの胸は服を着てると少し小さく見える。着痩せという奴だ。さらに学校へ行くときはスポーツブラで押しつぶしているために制服姿ではまあ普通くらいにしか見えない。結果として爆乳呼ばわりされる機会も少なくなるのだ。
「ねえ。触ってもいい?」
恐る恐る聞いてくるマー君。私は戸惑いながら答えた。
「え?まあ少しくらいなら…」
これは彼に対する裏切りになるのだろうか?まあ子供相手に彼が嫉妬するようなことはないとは思うが。
マー君は私の胸を指でつついたり手で持ち上げたりする。
「家のママもこの半分くらいあったらなあ」
「ママと一緒にお風呂に入ったりする?」
私はつい口走った言葉に後悔を覚える。聞いてはいけないことだったかも知れない。
「幼稚園のころはね…」
マー君はそれきり押し黙ったままだった。

お風呂から上がると私は手早く自分の体を拭きバスタオルを体に巻き、風呂を出てもう一つバスタオルを用意しに行く。私がバスタオルをもってユニットバスのほうに向かうとマー君が部屋の中に濡れたまま入ってきた。
「こら、待っててって言ったでしょ」
私はバスタオルでマー君の体を丁寧に拭いてやる。すると玄関から鍵の音がする。不安になったのかマー君は私に抱きついてくる。私はマー君の頭をバスタオル越しに撫でてあげる。
「もう、来るのはいいけど連絡位してよ」
玄関が開くとそこには眞一郎君の姿があった。
「悪い悪い。昨日のフォローをしておいた方がいいかなって思ったんだけど。携帯の電源が切れちゃってて」
眞一郎君は玄関を上がるとマー君の姿に気づいたようだった。
「その子は?」
「うん、隣の家の子。ちょっとね」
眞一郎君は私たちに近づくとしゃがみ込んでマー君と視線を合わせる。
「君、名前は?」
マー君は私に抱きついたまま何も答えない。
「人見知りする子なのかな?」
「そういう訳じゃないと思うけど」
「一緒にお風呂に入ってたんだ」
「あれ、妬いてるの?」
眞一郎君は視線を外して呟く。
「そういうつもりじゃ…」
「じゃあ、どういうつもりよ」
私には彼のこの些細な嫉妬が嬉しく思えた。だがその時、突然マー君が私のバスタオルを引き剥がした。
「!!?」
沈黙が辺りを覆う。マー君はしてやったりと言った表情を浮かべている。眞一郎君は私の全裸を見つめたながら頬を掻いた。
「下着とってくるよ」
そう言って眞一郎君はタンスの前に向かう。私は全裸のままマー君に歩み寄ると彼に注意を促す。
「こういうことしちゃ駄目なのよ」
「え?」
マー君は全裸を見たり見られたりしても平然としている私たちに戸惑っているようだ。今更ながら私たち二人は全裸くらいで恥ずかしがったりするような関係ではない。
「なんで平気なの?」
マー君の疑問に私はどう答えようか思案していると眞一郎君の声がかかる。
「ほらよ」
そういうと彼は下着を私に受け渡す。そしてマー君に歩み寄るとしゃがみ込んだ。
「パパの裸をママが見ても平気…そういうことって見たことあるかな」
「眞一郎君、その子、母子家庭」
私は彼の発した言葉に禁句らしきものが混じっていることを慌てて伝える。
「ご、ごめん」
謝る眞一郎君。だがマー君はそれを否定してきた。
「お父さんは生きてるよ。違う所に住んでるだけで…別居って言ってた」
「そ、そうか…ごめん」
またも謝る眞一郎君。マー君は黙ったまま、まだ十分に水気を取ってないのに服を着始めた。
「ちょ、もっとよく拭かないと」
「帰る」
マー君はパンツとズボンを穿くと残りの服を抱えて走って玄関を出て行った。
私たちは呼び止めることも出来ない。マー君が去った後、眞一郎君は私を見つめてくる。「何か決定的にまずいこと言っちゃったのかな」
「そこまでの問題発言はないと思うけど」
少し罪の意識を感じている彼に私はフォローを入れておく。
「で、ご飯は?食べてきた?」
「いや、余り物でもいいから何か食べたいな」
「判った。じゃあ何か作るね」
私は何を作ろうか悩みながら下着を着け始めた。


(後編に続く)
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