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2009-07-03(Fri)

リフレクティアがtrue tearsと結果的に無関係だという推察

企画立ち上げ

脚本第1話一稿目あがる(乃絵をヒロインにする予定)

脚本がある程度進む。

主題歌発注が行われる:
★比呂美をイメージした曲として発注。
★その後出来上がる曲リフレクティアは家族を失った直後にその代用品を求める余りに恋愛感情のない相手と結婚する歌である。

脚本がさらに進む。

当初は比呂美は家族の代用品を求めているだけで眞一郎への恋愛感情はないとするつもりだったが、脚本を読み返してみて比呂美の眞一郎への思いは恋愛感情以外の何物でもないことに気づく。

眞一郎は本当は比呂美が好きなのに乃絵への思いを恋愛感情と誤解し続けたまま乃絵と結ばれる予定だった。比呂美の思いが恋愛でないことを説明する事によってハッピーエンドなドラマとして成立するという目論見。

だが比呂美の思いが恋愛感情なら完全に眞一郎と両思いになる。両思いが結ばれないとハッピーエンドにはならない。比呂美ヒロインに路線変更。あがっている脚本も一部手直し。

リフレクティア完成。比呂美ヒロイン路線とはそぐわない曲だがいまさら変更は出来ないのでそのまま使うことに。

声優キャスティング決定。名塚佳織は眞一郎は比呂美のもとに戻ってくると説明される。

全脚本完成


(注)上記の内容は事実と推察が混じってます。念のため。時間軸とかも適当だし。

あ、リフレクティアの歌詞解説とかはここではやりません。全部を解明したわけでもないし。

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2009-07-02(Thu)

二年次07月上旬:「七夕と誕生日と、そして…」

true tears 二次創作小説です。本編全話視聴終了済みの方のみご覧ください。



二年次07月上旬:「七夕と誕生日と、そして…」








二週間近く前だったろうか?眞一郎君の様子が少しおかしい事に気づいたのは。それが何故なのかはすぐにはわからなかったが、朋与たちの態度も少しおかしい事に感づいた私の脳はひとつの答えをはじき出した。これはサプライズだ。サプライズバースディパーティに違いないと。

そう、もうすぐ私の誕生日がやってくる。眞一郎君の誕生日が花見を兼ねたものにしてしまった朋与は私の誕生日でも何かしようとしているに違いない。でも何をするつもりだろう。七夕じゃ花見と違ってドンちゃん騒ぎにする要素も少ないだろうに。暫く頭を悩ませても答えは出てこない。まあ簡単にわかってしまったらサプライズじゃ無くなるわけで、そういう意味では答えなどわからないほうがいいのかもしれない。そんなこんなで時は過ぎ、ついには私の誕生日がやってきたのであった。

早朝、私は事前に仲上家に借りておいた脚立を引きずりながら竹林へ向かう。そして真上に竹の枝が沢山生えている場所を探し回った。そしていい感じの場所を見つけると脚立を開いてその上に乗る。そして大ばさみで竹の枝を切り落とす。すぐに脚立を降り竹の枝を検分してみる。うん、いい感じの枝だ。これなら部屋にも飾れそうだ。そして私は脚立を閉じるとアパートに向かう。手に入れた竹の枝を見つめつつ短冊に何を書こうか考えながら。そう、今日は七夕、7月7日。私の17歳の誕生日。

竹と笹は近縁種ではあるのだが、植物学的には異なる物だという。だが古来より厳密な区分は行われていないのが現実だ。ようするに細いものが笹、太いものが竹。その程度の区別がまかり通っているのだ。だがら七夕の飾り付けに笹でなく竹を使ったところで何も問題はないはず。そもそも中国では七夕は竹の節句だったというし。ようするに飾り付けやすい細いものを使うから笹を選ぶというだけなのだろう。そんな竹の節句、つまりは織姫と彦星の一年に一度の逢瀬、会えなくても互いを想い合う恋人たち、そんな日に生まれたと言うことに私は何か運命めいたものを感じるざるをえない。とはいえ私と眞一郎君は年に一度しか逢えないようなそんな関係ではないし、もしそうなってしまったら私はきっと耐えられないだろう。しょっちゅう同じ夜を過ごせる私たち。正直織姫と彦星には申し訳ないようにも思う。そんな幸せな恋人たちの願いを不幸な恋人たちに叶えて貰おうというのだから。そんな事を考えつつも私は竹の切り口に布を縛り付ける。布の中には重りとして小石が詰めてある。それをビニール紐で縛って固定して竹を倒れにくくしようと考えたのだ。もちろん竹は基本壁に立て掛けて置く。でも単に立てかけただけではすぐに倒れてしまう。だから重りをつけることにしたのだ。これならば一日くらいは倒れたりしないだろう。私は竹を壁に立て掛けて様子を見、大丈夫だと判断。そして短冊に願い事を書き始めた。


高岡キャプテンが部活の終わりを宣言したのは何時もよりも30分くらいも早い時刻だった。でも無理もないかも知れない。理由は不明だが部員の数が何時もより数人ほど少ないのだ。期末試験が近いせいだろうか?ともあれ、こんな状態ではまともな練習など出来そうにない。私は部活の早期切り上げの理由をそう予測していたのだが高岡キャプテンがその後に述べた理由は異なるものだった。キャプテン曰く、「私用がある」からだそうだ。まったく鬼の高岡キャプテンともあろうものが私用で部活時間を短くしてしまうとは。私はちょっとだけ憤慨を感じながら後片付けをして更衣室に向かった。

私が更衣室に入ると朋与たちは既に着替えを終えてしまっていた。いつもなら何かしら喋りながらの着替えになりが私が朋与を急かしたりする事が多いのだが、今日に限っては朋与のほうが圧倒的に早い。それに他の部員ももう着替えが終わっている。これもサプライズに関わる事なんだろうか?疑問を感じている私に朋与が着替えを急かそうとして来る。
「ほら!もうあとあんただけよ。早く着替えないと鍵かけられないんだから」
何時も自分が言われている言葉をそのまま私に投げかけてくる朋与。全く調子のいい親友だ。ともあれ私は取り急ぎ着替える事に徹する。施錠が終わらないとキャプテンが帰れない。私用で早く部活を切り上げた意味がなくなっては彼女も困るだろうから。

私が朋与と一緒に校門をくぐると一台のワンボックスカーが目に入ってくる。そして車の傍には美紀子と大学生くらいの男が話しているのが見えた。
「あ、こっちこっち!」
美紀子は私たちに気づくと手を振ってきた。私は美紀子に近づくと男を見つめて尋ねる。
「えっと…彼氏さん?」
「そう見える?」
「違う違う、兄貴よ。兄貴」
美紀子は男のふざけ気味な返答をすぐさま否定した。そういえば兄がいるという話は聞いたことがある。
「どうも、兄の美紀彦です」
「そんなことよりさ」
「あ、そうだね。じゃ行こうか」
朋与の意味深な忠告に同意を見せる美紀子。どこへ行こうというのか?わざわざ車で誕生日パーティに出かけるとでもいうのだろうか?私が疑問に思っていると朋与が後ろから何か顔にかけてきた。
「はーい。ごめんなさいねー」
「ちょ、朋与?」
どうやら朋与が私の顔にかけたのはアイマスクのようだ。何故目隠しを?朋与は全く理解できずに戸惑う私の背中を押してくる。どうやら車に乗せるつもりのようだ。これもサプライズの一環なのだろう。私は仕方なく朋与たちにおとなしく従うことにするのだった。


軽快に走っていく車の中、私は何か目的地などについて誰かがポロリと漏らさないかしっかりと聞き耳を立てていた。車に乗ってきたのは私と朋与と美紀子だけではない。どうやら後数人、バスケ部員が乗り込んだようだ。まあ彼女たちも私の誕生日を祝ってくれると言うわけだろう。そして車の運転は当然ながら美紀子のお兄さんが行っているようだ。そのお兄さんは色々と私の外見について感想を述べてくる。曰く、噂以上の美人さんだ。曰く、こんな娘を彼女にした奴が羨ましい。曰く、俺の彼女は体はすごいけど顔は別の意味ですごいんだ。などなど。そういえば美紀子は兄がエロエロだと時折ぼやいていたっけ。そんな感想を抱いているといつの間にか話題はお兄さんと彼女とののろけ話に変わっていった。どうやら目的地などについての情報は車の中では得られないようだ。朋与たちも一言も口をきかない。お喋りが好きな彼女がずっと押し黙っているのは大変なことのように思う。私は情報の入手を諦めると少しだけ眠る事にした。

「ほら、比呂美、ついたわよ」
朋与に肘をつつかれて目を覚ます。だが相変わらずアイマスクが掛けられている為周りの状況は全く理解できない。朋与は私の手を取ると車の外へと誘導してくる。この柔らかい地面は芝だろうか?いやむしろ雑草が生い茂っているといった感じのほうが正解に近い気もする。手を引かれつつ暫く歩いていると気のせいか少し周囲の明るさが変化したように思える。いぶかしむ私の背後に朋与の声が回り込んでいく。
「じゃ、後よろしく」
「オッケー」
そう答えたのはあさみだ。当然彼女も誕生日を祝ってくれるということだろう。するとあさみは私の両耳に手を回してきた。
「じゃ、とるよ」
あさみによってアイマスクが剥がされ久しぶりに視界を取り戻す私。私が周囲を見ると周りは衝立が取り囲んでいる。地面にはレジャーシートが引かれ風呂場に置くようなカゴが乗せてあった。
「じゃ、脱いで」
「へ?」
突然のあさみの言葉に困惑する私。あさみは私の背後を指差す。
「着替えるのよ」
私が振り返るとそこにはウエディングドレスがこれでもかと言わんばかりにその純白を輝かせていた。
「これって!」
私はドレスを指差しつつあさみを振り返る。
「うん、だから早く脱いでね」
あさみは特に感慨もなさそうに私の制服のボタンに手を掛けた。


「いや、あれから半年。まさかこれほどの成長を遂げているとは」
着替えを手伝うあさみが私の胸について感想を述べてくる。確かにすでに私の胸は愛ちゃんに追いついている。いやひょっとしたらもう追い越しているかもしれない。流石にスポーツブラの上にドレスは無理だろうと思っていた私だったが、そこはそれ、朋与たちにもぬかりはないようだ。ちゃんと私のブラジャーが用意してあった。きっと眞一郎君がこっそり持ち出したのだろう。合い鍵を持っている彼なら幾らでも持ち出すチャンスはあるのだから。
「胸きつくない?」
背後でドレスのボタンをつけながらあさみが尋ねてくる。
「うん、ちょっときつめだけど。大丈夫」
「貸衣装だからあんまりサイズがないのよね」
しかし花嫁衣裳とは。いわゆるコスプレというやつだろうか?まあ悪い気はしないので文句は言わないでおこう。
「よし完成。似合ってるよ」
私の頭にベールをかぶせるとあさみは手鏡を渡してきた。私は手鏡を受け取ると自分の顔を覗き込んでみる。するとそこには確かに純白に染まった花嫁の姿があった。
「実際、比呂美は何着ても似合うよね」
ある種の感動を覚える私にちょっとだけ水を差してくるあさみの言葉。まあほめ言葉なんだし、文句は言わずに済ませたい。
「それじゃ、皆に見せびらかそう」
そう言うとあさみは私の手を引いて衝立で作られたゾーンから外へと誘導する。
「ちょ、そんなに引っ張らないで…」
文句を言う私の声に気づいたのだろう。私が外に出ると何人か制服を着た生徒たちがこちらを振り向いた。
「おお」
「綺麗…」
「素敵…」
口々に褒め立てられるとコスプレも悪いものじゃないなと思えてくる。すると一人だけ違う制服が近づいてきた。
「比呂美ちゃん、素敵よ」
違う制服の主は愛ちゃんだった。よく見ると背後には野伏君の姿もある。
「ありがとう。でもなんでコスプレ?」
「聞いてないの?」
愛ちゃんはそう言うと奥のほうを指差した。示された方向を見るとそこにはタキシード姿の眞一郎君の姿があった。
「眞一郎君も?」
私の言葉に気がついた眞一郎君は私のほうを向いて恥ずかしげな笑みを見せた。コスプレがそんなに恥ずかしいのだろうか?確かに今ひとつ似合って無いけど。眞一郎君には和服のほうが似合うのだし。だがそんな私の横道にそれた思考をその背景が打ち破る。
「な!?」
そう、眞一郎君の背後に見えたもの。それは白い教会だった。私は思わず眞一郎君の方、すなわち教会の方向へ駆け寄る。
「教会…」
それは確かに教会だった。それほど大きくはない、はっきり言えば小さな教会だったが、それでもそこはまごう事なき教会だったのだ。私は隣の眞一郎君に尋ねてみる。
「これって…」
すると背後から聞きなれた声質が変な形で搾り出された。
「あなたーはかーみーをしんじまーすか?」
私が振り返ると案の定、声の主は朋与だった。だが朋与もまた制服姿ではない。なんと彼女は神父さんの格好をしていたのだ。
「…似合ってない…」
「いや、手厳しいわ」
そう言って自分の頭を小突く朋与。
「でもこの役は私しか出来ないと思うわよ」
私の批判に朋与は反論を見せた。
「役?」
「そ、神父さん役。この結婚式ごっこのね」
そう言うと朋与は私にウインクをしてみせるのだった。


「あんた、ウエディングドレス着てみたいとか言ってたでしょ?」
先ほど聞いた朋与の声が脳裏に響く。
「仲上家は神前式で白無垢と文金高島田だから、ウエディングドレスは着る機会なんてないって」
私は朋与の言葉をかみ締めながら真っ赤な絨毯の上を歩く。
「だから、仲上君と相談して決めたの。この結婚式ごっこを誕生日プレゼントにしようってね」
拍手が鳴り響く中、私は隣を歩く眞一郎君を見つめる。
「今年じゃなくてもいいかとも思ったけど、来年だと旦那が18歳になってるでしょ?“ごっこ”にならなくなるしね」
やっぱり朋与は最高の親友だ。私は親友への感謝を覚えながら眞一郎君の腕を掴む力を強めた。バージンロードの両側に野伏君と愛ちゃんの姿が見える。打ち合わせ通りにブーケを渡し手袋を脱いで預ける。眞一郎君も手袋を野伏君に渡したようだ。そしてまた歩き出した私たちが神父役の前までたどり着くとCDラジカセから流れていた結婚行進曲が止まり、朋与が作り声で語り始める。
「汝、仲上眞一郎は、湯浅比呂美を妻とし、健やかなるときも病めるときも、富めるときも貧しきときも、死が二人を分かつまで、愛し合うと誓いますか?」
「ち、誓います」
眞一郎君は笑いを必死に堪えながら答える。そして朋与は今度は私に向かって質問を掛けてくる。
「汝、湯浅比呂美は、仲上眞一郎を夫とし、健やかなるときも病めるときも、富めるときも貧しきときも、死が二人を分かつまで、愛し合うと誓いますか?」
「誓います」
私が静かに返答すると心なしか朋与の表情が一瞬微笑んだように見えた。
「では指輪の交換を」
朋与がそう言うと眞一郎君はポケットから指輪のケースを取り出した。見慣れたそれは結婚指輪のケースではない。つまりは婚約指輪のケースだ。眞一郎君はケースから指輪を取り出す。当然ながら中身も婚約指輪だ。いつの間に持ってきたのだろう。ていうか眞一郎君に指輪の隠し場所って教えてたっけ?そんなことを考えていると眞一郎君は私の左手を優しく掴んできた。そしてゆっくりと薬指に指輪をはめる。こういうとき何かいうのではなかっただろうか?でもどうせ指輪の交換と言いつつも私から眞一郎君にはめる指輪はないわけだから、細かいことは考えないほうがいいのだろう。
「それでは誓いの口付けを」
眞一郎君は私の目前まで歩み寄るとベールを両手で開き、私の手を握ってきた。眞一郎君の瞳の中に私の顔が映る。そして黙って目を閉じ顔を近づけていく。触れ合う唇。ひと時の間の後、どちらかともなく唇を離す私たち。恍惚の満ちる中で目を開けると眞一郎君の恥ずかしそうな表情が見える。正直言って今更舌を入れないような軽いキスでここまで気分が高揚するとは思わなかった。これも結婚式ごっこの賜物だろうか?
「ただ今、お二人の結婚ごっこが成立いたしました」
朋与の宣言とともに私たちは出口を見つめゆっくりと歩き出す。拍手が鳴り響く中、私たちは赤い絨毯を逆に辿って教会の外、光の中へと足を踏み出した。


「眞一郎君、そろそろ止まらないと」
私が注意しないと眞一郎君はずっと歩いてしまいそうだ。この後、参列者に向かってブーケトスをしなければならないのに。
「そうだな」
そして私たちが後ろを振り向くと参列者たちも教会の外に出てきていた。よくよく見ると参列者の仲には部活を休んだ筈の者もいる。おそらくは交通手段の確保の問題で早めに来なければならなかったのだろう。そして中から出てくる人が一段落したのを確認すると私はブーケを高く放り投げた。綺麗な放物線を描いたブーケはとある人物の手の中に綺麗に落ちる。
「あれ?」
ブーケを受け取ったのは丁稚君だった。丁稚君と言うのは仲上酒造で働く坊主頭の子のことで、本名は別にあるのだが実を言うと覚えていない。なので私は心の中で丁稚君と読んでいるのだ。
「どうしましょう?」
丁稚君は隣にいるおばさん…眞一郎君のお母さんに尋ねる。気がつかなかったがおばさんも参列していたようだ。
「高く放り上げなさい」
おばさんがそうアドバイスすると丁稚君は言われたとおりにブーケを投げ上げた。ノーコンなのだろうか。ブーケは少し離れたほうへと流れてしまう。だが、そこにちょうど一人の女性が立っていた。その女性は片手で落ちる途中のブーケを横から掴み取った。華麗にブーケを受け取った女性…それは高岡キャプテンだった。彼女もまた参列者の一人だったのだ。少し離れた位置にいるのは相変わらず仲上にこだわりがあるからなのだろう。高岡キャプテンはブーケを掴んだ手を掲げると私に向かって微笑んだ。私は眞一郎君と見詰め合うと互いに笑みを見せ合うのだった。


「おめでとう…と言っていいのよね。本番じゃなくても」
眞一郎君のお母さんは私に歩み寄ると声を掛けてきた。
「すみません。こんな仲上家の結婚式を否定するような真似…」
「いいのよ。真似事なんだから…それより素敵だったわ。綺麗だしね」
おばさんのお世辞はなんだかこそばゆいと思う私。
「花嫁は誰だって綺麗ですよ…おばさんの時もきっと…」
私はお世辞に対して謙遜とお世辞返しを試みた。
「私たち、結婚式挙げてないのよね」
「え?」
私は意外なおばさんの返答に戸惑ってしまう。
「比呂美ーっ、そろそろ着替えないと帰り遅くなっちゃうよー」
「え?うん。そうね」
あさみの呼びかけに私が反応しているとおばさんは車の方へ歩いていく。
「じゃ、そろそろ戻らないと。夕飯を用意する時間がなかったら家に食べに来なさい」
「あ、はい」
私がおばさんの助言に同意する間に彼女はは外車の左側のドアを開いて乗り込む。助手席には既に丁稚君が座っているようだ。車のエンジン音が鳴り始め、やがて車は走り去っていく。
「ちょっと比呂美。早く着替えてよ」
私が去っていく車をじっと見つめているとあさみがまた呼びかけてくる。
「うん、わかってる」
私はそう答えつつもただおばさんがさっていった方向をじっと見つめ続けるのだった。


教会の場所は思いの外遠く、家まで送り届けてもらった時にはすでに夜8時過ぎになっていた。仕方ないのでおばさんの忠告どおりに仲上家に夕食をご馳走になりにいく。私が尋ねた時はちょうどおじさんとおばさんの夕食時だったらしい。必然的に一緒に取る事になる。眞一郎君は私が来るちょっと前に食べ終わったらしい。だが彼は私が夕食を食べている間、隣に座って結婚式場にした教会について話をしてくれた。

眞一郎君が言うにはあの教会はすでに所有者も無く廃墟も同じらしい。そして秋にはあの辺りにゴルフ場を作るために取り壊されると言うのだ。つまりは来年だとあの教会はもう存在せず、今回の結婚式ごっこの実現もかなり困難なものになっていた筈だと。自分たちは本当にラッキーだったと。私は眞一郎君の話を聞き自分の幸運をひしひしと感じていた。そしてふとおばさんの横顔を横目で見つめる。私の脳裏におばさんの結婚式をしていないという言葉がよぎる。疑問を抱かずにはいられない私だが、立ち入った話になるかもしれない。身内になる予定とはいえ、まだ他人の私が尋ねてもいいことなのだろうか?迷った挙句、取り合えず今は聞かずに機会を待ったほうがよいとの結論を出す。そして私は筑前煮をかみ締めながらテーブルの上のブリの照り焼きをじっと見つめるのだった。


「ちょっと上がっていって」
私の言葉に頷く眞一郎君。仲上家での夕食後、私は眞一郎君にアパートまで送ってもらうことになった。所謂送り狼っぽい状況だなと思う。でも羊のほうから肉を与えようとする場合でも送り狼と言うのだろうか?
そんな事を考えつつ部屋に入る私。続けて入ってきた眞一郎君が壁に立て掛けてある竹の枝を見つける。
「七夕の笹か」
「ブーッ、それは竹です。竹林の竹です」
私は眞一郎君のアンサーに駄目だしをした。
「なるほど、で、お前はどんな願い事を…」
「それより眞一郎君も書いてよ」
私は彼に向かって短冊とマジックを差し出した。
「え、うーん。何をお願いしようかなあ」
そういって暫く天井を見つめていた眞一郎君だが、何かに気づくとマジックを取り一気に書き上げる。
「見せて」
私は眞一郎君から短冊を受け取るとその内容を読み上げる。
「比呂美がいつも笑顔でいられますように…」
実に眞一郎君らしい願い事だ。喜びを隠せない私が彼を見つめると眞一郎君は恥ずかしげに頬を掻いていた。
「じゃ、つけるね」
私は眞一郎君の短冊を竹の枝に括り付ける。すると眞一郎君が私の背後から歩み寄ってきた。
「比呂美はどんな願いをしたんだ?」
私は竹の枝につけた赤い短冊を指差す。そこに書いてある言葉を眞一郎君はゆっくりと読み上げた。
「眞一郎君とずっと一緒に暮らし、一緒に歳をとって、一緒のお墓に入れますように…」
眞一郎君は私の願い事を読み上げた後、私を見つめて苦笑いを見せてくる。
「別にわざわざ願い事にしなくても…それくらい実現出来るだろ」
私は窓ガラスから夜空を見上げると眞一郎君の意見に反論した。
「先のことなんてわからないわよ…お父さんお母さんが死ぬなんて私も予想して無かったんだし…」
眞一郎君は苦笑いをやめると真剣な面持ちを見せる。
「ごめん、悪かった。お前の言うとおり、先のことはわからないよな」
「わかってくれればいいのよ。それにこの願いは織姫と彦星だけじゃなく眞一郎君へのお願いでもあるのよ」
私の言葉を受けた眞一郎君は私の肩に手を回し夜空を見ながら答えてくる。
「約束するよ。すっと一緒だ」
「うん、後でこの枝、川まで流しに行かないとね」
眞一郎君は私の肩を握る力を強めながら呟いた。
「ああ、後でな」
そして私も眞一郎君に頭を預けながら答える。
「うん、後でね」
そう、今日は私の17回目の誕生日。そしてまだ、夜は長い。




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あとがき:

EDはリフレクティアでお願いします。とはいってもリフレクティアってtrue tears本編とは結果的には何も関係ない曲なんですけどね(爆弾発言)そんで、このSSとも関係なし。

今回は比呂美の誕生日話です。比呂美の誕生日には七夕こそふさわしいと思っている人は結構いますけど、実際これほど比呂美の誕生日に相応しい日はないでしょう。もしオフィシャルが誕生日を決めているとしたら7月7日しかありえないと思えるくらいです。

七夕=竹の節句、竹・たけのこの日、ポニーテールの日、ゆかたの日。星座でいえば蟹座で、もっとも女性的で愛憎深く敵味方をはっきりわける星座といわれています。7月誕生石のルビーや誕生花の赤スグリには赤い実を連想せざるをえませんし。

ようやく今回眞一郎の母の初登場となりました。別に避けてたわけじゃなく単に比呂美と眞一郎の母の関係は本編で完結しているため特に書くべきドラマも見出せないというだけの話です。

あと今回の結婚式ごっこは正式な手順を幾つか省いてあります。ごっこなんだから正確じゃなくてもいいと思うし。
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